[stage]七月大歌舞伎昼の部・観劇記(その3)

 


  

はい、しつこく続く観劇記も最終回です。

その1
 
その2
 
 
 
 
 
昼の部トリは「楊貴妃」。
 
夜の部の「江戸の夕映」と同じ、大佛次郎脚本の新歌舞伎、 
 
だそうです。 
 
(あ、江戸の夕映、8/18にNHKEテレで放映ですって。要録画) 
 

なるほど、台詞がわりと現代口調で、とてもわかりやすい。
   
普段舞台上ではすり足の多い女形の皆さまも、
 
スカート風の衣装でサッサッと歩き、
 
身体の使い方がまったく違うそう。
 
 
さて楊貴妃。
 
唐の皇帝・玄宗のお妃で、絶世の美女、傾国の美女、
 
という話は知っていましたが、
 
実際にどんな人生で、どんな風に国を傾けたか(笑)については、
 
まったく知りませんでした。
  
ちょっとwikiってみると、…結構ドロドロな感じ…。
 
 
そしてキーパーソン、海老様演じる高力士は、
 
玄宗に仕える宦官です。
    

彼も実在の人物で、玄宗の腹心として活躍し、 
 
唐代の宦官の勢威は、高力士より始まったと言われているそうです。
 
(wikiより)  
 

開幕前のイヤホンガイドでは、宦官についての解説が流れていて、
 
こんな演目を昼間からやるんだから、
 
歌舞伎って大人の世界だなぁと思ったワタクシ。
 
(夏休みで、親子連れも結構いらっしゃいましたが…)
 

 
第一幕、のちの楊貴妃、天真は、
 
道教の寺院にひっそりと暮らす可憐な美女として登場します。  
 
 
すでに結婚経験があることは語られますが、
 
なぜか今は隠遁生活。
  
 
天真は、ときどき寺院にやってくる美男の宦官・高力士に、
 
ほのかな想いを寄せています。 
  

この月光のような、冷たい色気のある海老様も良かったですよ。

宦官と聞くと、映画ラストエンペラーに登場していた、
 
おじいちゃん宦官のお顔が思い浮かぶのですが、
 
唐の時代には若くて美貌の宦官もいたのでしょう(笑)。
 
 
しかし、高力士が勅使として天真を迎えにやってくると、
 
ほのかな恋心ははかなく散り、
 
白い花嫁衣装に身を包んで、天真は悲しく輿入れします。
 
 
 
その後楊貴妃となった天真は、玄宗の寵愛を一身に受け、
 
かなり奢り高ぶったキャラに…。
  
(その変貌っぷりがある意味凄い)

富と色は、ここまで女を変えてしまうのか。
  

最後は、安史の乱が起こり、
 
「国を傾けた張本人」として弾劾されかねないと、
 
高力士により殺されます。
 
 
 
高力士は、徹頭徹尾、感情を表に出さない演技です。
  
 
ちょっと感情が出るのは、
 
途中で、楊貴妃から誘惑されるシーンがあるのですが、
 
そこくらいかなぁー。 
 

そのためか、最初から天真を愛していたのか、どうだったのかは、
 
よく伝わってきませんでした。 
 
 
権力基盤をますます強める駒として送り込んだのか、
 
愛する人とすこしでも近くにいたくて呼んだのか、 
 
どっちだったんだろう~? 

 
ごめんなさーい、これはきっと眼鏡のせいです。
   
オペラグラスがあると良かったな。
 
  

しかし、ラストシーンは、現代のサスペンス映画にも通じる、 
 
冷たい美しさ、でした。 
  
さっきまで凛々しく富樫を演ってたのに…、 

本当に役者さんって大変なお仕事ですね。
  
 

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