ゲーム・オブ・スローンズ/氷と炎の歌

[books]『乱鴉の饗宴』(下) (氷と炎の歌4)

乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)

乱鴉の饗宴 (下) (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者:ジョージ・R.R. マーティン
  • 出版社:早川書房
  • 発売日: 2013-01-25

# 表紙はサーセイ

「サーセイの凋落=既存のシステムの崩壊」が、いよいよ明らかになる下巻です。

*ー 以 下 ネ タ バ レ あ り ご 注 意 ー*

・サーセイとマージェリーの権力闘争

マージェリーは視点人物にならないので、

その行動はサーセイの伝聞(主にティナから伝えられる)や、

サーセイと逢った時の描写に限られますが、

マージェリーが、幼な夫トメンから、サーセイの影響を排除しようとしていることは明らか。

自分が「現王妃である」というプライドもあるでしょうし、

タイレル家の「あんな馬鹿母に政治を好き勝手やられたら国が滅びる」という

憂慮もあるかも。

サーセイ=淀君説ってよく聞きますが、ここでの関係は篤姫と和宮にも似ています。

どちらも「家」を背負って嫁に来ているところとか。

でも篤姫はあそこまで自己都合の人事と失政はしてないですけどねー^^;;

それにしても、なんでサーセイはあそこまで、

マージェリーを潰そうとしていたんでしょうね。

だってタイウィン亡き後に頼れる有力な家といったら、実家かタイレル家しかないのに、

叔父のサー・ケヴァン・ラニスターには、ジェイミーとのことがばれちゃってるから、

支援は期待できず。

そしたらタイレル家とは良好な関係を保って、うまく利用したほうがいいに決まってる。

妖婆の予言のこともあったにせよ、

ジョフリーを失い、ミアセラを失ったところで、最後に残った息子を盲愛するあまり、

正常な判断ができなくなったとしか思えない。

もともとティナはタイレル家の二重スパイだったのでしょう。

黒幕はレディ・オレナあたりか。

サーセイの失脚後、<鉄の玉座>は一旦トメンを傀儡に、

タイレル家が実権を握るのでしょうか。

・ブライエニーの旅

ブライエニーは、ジェイミーから託されたヴァリリア鋼の剣、

<オウスキーパー(誓約を果たすもの)>を手に、サンサの探索を続けています。

メイドンプールでは、駐屯しているサムの父、ランディル・冷血・ターリー公と遭遇。

しかしこのお父様はサムとは全然キャラ違いますねぇー。

学者肌のサムと肌が合わず、<壁>送りにしたのもさもありなん・・・。

途中で道連れとなった旅のセプトンの案内で、<静かの島>にある修道院に立ち寄り、

ハウンドの死や、ハウンドが連れていた少女がサンサではなく、

アリアであったことを知ります。

<静かの島>は、モン・サン・ミッシェルがモデルとのことで、

小さいながらも豊かな島のよう。

これも映像化が楽しみな建造物の一つ(登場するかなぁ?)。

ブライエニー一行はその後、<十字路の旅籠>にも立ち寄ります。

この旅籠は「王の道」とトライデント河が交差するちょうど十字路にあり、

第一部『七王国の玉座』で、キングズ・ランディングから帰る途中だったキャトリンが、

ティリオンを見つけ、拉致した旅籠でもありますね。

ここでブライエニーは意外な人物に遭遇します。

そこに——亡霊が立っていた。
(レンリー・・・!)
心臓に戦槌を食らっても、これほどの衝撃はおぼえなかっただろう。
「わ、わが君?」思わず、声がうわずった。
「わが君?」少年は目の上にかかったひとふさの黒髪をはねあげて、「おれはただの鍛冶屋だぜ」

アリアと袂を分かったジェンドリーが、元気で生きてました。

彼がロバートの私生児ということは知られていましたが、

そんなにもレンリーに、いえロバートに似ているとは。

ということは見るべき人が見たら、明らかに出自がわかるってことですね。

この先、スタニスとか、リトル・フィンガーなんかに見つからないといいけど。

その夜、<血みどろ劇団>に旅籠が襲われ、ブライエニーは重傷を負います。

その手当をしたのが、<レディ・ストーンハート>もとい、キャトリン率いる逆徒たち。

熱に浮かされ、何度もジェイミーの名を叫んだことから、

ブライエニーはキャトリンの怒りを買い、ついに吊るされてしまいます。

生死の行方は・・・?

一読者としては生きていてほしいけど・・・。

・アレインとして身を隠すサンサ

サンサは、リトル・フィンガーの私生児アレインとして、

高巣城に身を隠しています。

いよいよ冬が迫ってきて、ふもとの月の門城まで移動することになりますが、

ライサの忘れ形見であるロバート・アリンの、札付きの扱いにくさといったら。

しかし、ジョンとシオンも入れると、7人兄弟のなかで育っているサンサは、

小さい子の扱いがさすがにうまい。

ロバートもすっかりなついて、アレインの言うことなら聞くのが笑える。

「大桶」というロープで大きな桶をぶら下げた人力ロープーウェイみたいなのに、

乗って降りていくのも恐いですが、

雪支城の手前、切り立った崖と崖をつなぐ岩の橋を、

強風がごうごううなっている中、驢馬で渡っていくシーンの恐怖ときたら。

いやー、騎士物語を夢見ていたあのサンサ、強くなりましたねぇ〜。

さて、リトル・フィンガーは、サンサ=アレインを、

王位をめぐるゲームの駒として動かすべく、英才教育をほどこしていきます。

そして、高巣城とウィンターフェル城を正統に継承するために、

婚姻というカードを切ることが示唆されます。

ここも、この先どうなるかな〜。

・だんだん真人間になってきた(笑)ジェイミー

無事タリー家の人間を殺すことなく、リヴァーラン城を開城させたジェイミーですが、

<漆黒の魚>サー・ブリンデン・タリーが逃亡してしまっていました。

サー・ブリンデン、これは次巻以降でまた登場するフラグですよね。

地理的に、<レディ・ストーンハート>率いる逆徒たちと遭遇する可能性はないだろうか。

ここで、ロブの妻だったジェイン・ウェスタリングとその母が登場。

ジェインの母はタイウィン公と通じており、

なんと「妊娠しやすくなる」と娘に与えていた飲み物は、

その逆の作用をもたらす「月の茶」だった・・・。

いやはや、ロブの「若気の至り」っぷりがさらに明らかになるエピソードですね。

大人って汚いわー。

さて、窮地に陥ったサーセイから、「助けて!愛している」と使い鴉が飛んできますが、

ジェイミーは黙ってその手紙を火にくべさせます。

サーセイが権力を私し、王妃を陰謀に陥れようとしたことが弾劾されるのであれば、

ジェイミーとの間の子を三人も儲けた、という点も裁かれるのではないだろうか。

その時、彼はどう行動するのか・・・。ここも気になりますね。

・サムは<シタデル(知識の城)>へ

毎度のことながら、「プロローグ」と「エピローグ」はいつも興味深い。

物語の大きな流れを、ちょっと違う視点から、異なる時間軸から覗き見させてくれる。

上巻の「プロローグ」は、シタデルの修練者見習いたちのエピソード。

ここで登場する錬金術師はジャクェンのまた別の姿、らしいですが???

『乱鴉の饗宴』には「エピローグ」がありませんが、

最終章はプロローグと呼応するかのような、サムがシタデルを訪問した時のエピソード。

傲慢なレオ・タイレル、<豚っ子ペイト>(じつはジャクェン)も再登場。

サムは無事修練者見習いとして潜り込めたようで、

第七部は「ホグワーツ」ならぬ、サムのシタデル学園生活が楽しそう。

あ〜、盛り沢山すぎて書ききれませんが!

とりあえずおしまい。

『竜との舞踏』(1)レビューに続きます。

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